最近、
『トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ』という本を読み、私自身もダイエットを再開しました。
自分の備忘録をかねて、要点だけをまとめておきます。
この本は、ジェイソン・ファンという医師が書いた本です。
カロリー幻想
本書は、2章が
「カロリー制限」という幻想 となっていて、
従来の(摂取カロリー)から(消費したカロリー)を差し引きして、
プラスであれば、その分太り、
反対にマイナスであれば、その分痩せるという、
一見もっともらしい仮説を、
カロリー幻想と呼び、
間違ってると主張しています。
これが間違ってるのは、
『摂取カロリーを30%減らすと、消費カロリーも30%減少するといったように、摂取カロリーの減少は消費カロリーの減少を招く。結果的に、人間の体重の減少は最小限にとどまるようにできているのだ』
総エネルギー消費量は、人によって50%も前後するので、摂取カロリーを減らしても意味がないのです。
『「摂取カロリーを減らせば体重が減る」という理論の根幹となる仮定条件が、そもそも間違っているのだ。』
では肥満の原因は何かというと、
ホルモンの異常なのだというのです。
体内の様々な反応は、恒常性を維持するために、
ホルモンで制御されており、
体重もご多分に漏れず、
ホルモンで制御されているのです。
体重には設定値が存在する
そして、
『ここで関係する基本的な生物学的原理は、「恒常性の維持」である。体重や肥満に関しては、”設定値”というものがあると考えられるが、この考えは1984年にキーシーとコルベットという二人組により提唱されたものである。』
体重には設定値が存在し、
設定値よりも体重が重ければ、
設定値まで体重を減らそうとする恒常性が働きます。
反対に、設定値より体重が軽ければ、
設定値まで体重を増やすとする恒常性の機能がはたらくというのです。
要は、肥満というのは、設定値が高くなりすぎた状態ということなのです。
『肥満の原因は、体内のホルモンのバランスが崩れることによって体重の設定値が高くなりすぎることだ』
そして、多くのダイエットで、設定値を変えずに、
瘠せてしまうと、恒常性の機能が働き、
もとに戻ってしまう。
これが、いわゆるリバウンドというものなのです。
リバウンドとは「設定された体重」に戻ろうとすることなのです。
インスリンの分泌量が体重の設定値を決める
では設定値はどこで決められるのかというと、
『視床下部を通っている神経は、理想的な体重、つまり体重の設定値を決める役割を担っている。』
『インスリンは糖や脂肪の貯蔵を促す。何も食べないときは、インスリンの分泌量は減り、糖や体脂肪を燃やす働きが始まる。』
『グリコーゲンが底をつき始めると、体は脂肪を燃やし始める前に、空腹を感じ何か食べたくなる。』
『体重というのは厳格にコントロールされていて、ほとんどの人の体重は比較的一定している。体重が増えている人も、その増え方はとてもゆっくりだ━年に0.5キロから1キロほどだ。
だが、これは、体重の設定値が変わっていないということではない。時と共に、体重を管理する自動調節器が体重の設定値を徐々に上げていく。
肥満を理解するには、何が設定体重を調節しているのか、なぜ体重の設定値がそんなに高いのか、そしてそれを低い値にリセットする方法を知ることが大切だ』
『肥満を理解する要は、”ホルモン”だ。設定体重もそうだが、人間の代謝機能はすべてホルモンによって調節されている。体脂肪などの重要な生理学的変数は、日によって変わる摂取カロリーや運動に左右されるものではない。そうではなく、ホルモンが精密に、厳格に、体脂肪を調節している。体重を意識的にコントロールできないのは、脈拍、基礎代謝率、体温、呼吸などを、自分で意識的にコントロールできないのと同じことだ。これらはすべて自動的に調節されており、体重もそれと同じなのだ。』
『なによりも大事なのは、インスリンが肥満の原因であるという事実を知ることだ。』
『インスリンの分泌量が多いことが肥満の根本原因なのだとすれば、インスリンの分泌量をおさえればいいということは明らかだ。』
『課題は、どうやってカロリーのバランスをとるかではなく、どうやってホルモンのバランスをとるかだ。そして肥満における最大の課題は、「どうやったらインスリンの分泌量を抑えられるか」ということにつきる。』
体重の設定値を低くする方法
著者は体重を減らすには2段階のプロセスが必要だと説いています。
まず第一段階は、インスリンを大量に分泌させる食べ物の摂取を減らすこと。
そして第二段階は、「食べるタイミング」を調節すること。
『適切な食べ物を食べていれば、高いインスリン値を招くことはないということはわかっているが、それだけではインスリン値をもっと低くするには不十分だ。ある食べ物はほかの食べ物よりもインスリン値を上げないのは確かだが、すべての食べ物はインスリンの分泌を促すことを忘れてはいけない。どんな食べ物もインスリン値をあげるものだとすれば、インスリン値を下げるには、「まったく何も食べない」という方法しかない。
つまり、一言でいえば、「ファスティング」という方法だ。』
ということで、著者は間欠的ファスティングを勧めています。
医師である著者が患者に指導するときは、24時間の断食を定期的に行う、あるいは36時間の断食を定期的に行うことが多いそうです。
断食の時間が長いほど、効果が早く出るとのこと。
この本に付録でついているファスティングのスケジュール例は、実行しやすいものであれば、一日おきに、朝食と昼食を抜くという方法が例としてあげられています。
要は、自分が実行しやすいスケジュールで、定期的に、続けることが大事なのです。