アンガーマネージメントではしばしばアンガーログをつけることが推奨されます。アンガーログとは、怒った時の怒りの記録です。一種の日記みたいなものですが、怒ったときだけ、怒ったことを記録します。目的は、しばらくしてから読み返し、自分の怒りの特徴や傾向を客観的に把握するのに使います。
目次
アンガーログの書き方
アンガーログには、怒った日時、場所、怒った経緯の詳細、怒りの強さ等について記載していきます。
これを1週間後や1か月後に読み返し、自分がどういう状況で怒りやすいのか、どうして自分はこんな原因で怒るのかということを、十分時間がたった後で感情的にならずに分析できます。
アンガーログを書くのは怒った直後が一番鮮明に書けるのですが、怒った直後に書くために思い出すと、再び怒りがこみあげてきたりするので、しばらく時間がたって感情が落ち着いてきたら書くのが良いでしょう。
怒った出来事の経緯の詳細は、怒った相手、なぜ怒ったのか、どんな怒り方をしたのか、怒りを感じただけで表に出さずにすんだのか、等々記述していきます。
また自分が感じた怒りを客観視するために、怒りの程度を10段階や5段階で評価します。慣れないうちは5段階で評価するとよいでしょう。最大級の怒りが5だとすると、今回の怒りは10%程度かななどと考えると、案外大したことないなと思えてきたりします。
アンガーログの分析をしよう

アンガーログを書き始めて、しばらくすると自分の怒りの記録がたまってきます。
ある程度たまってきたら、読み返して、自分がどういうシチュエーションで怒りを感じやすいのか読み取ることが可能になってきます。
例えば、タクシーに乗っていて、行く先を言ったら、道を間違えていつもより時間がかかってしまった、というような時に、イラっと来て降りるときに一言、余計なことを言ってしまったという内容が書いてあったとします。
もう10日前の事で、怒りの感情はありません。
なぜあの時怒ったのか・・・。タクシーの運転手なら当然道を知っておくべきだと思ってるのですが、実際にはそうではなかったのです。
〇〇なら当然、◎◎であるべきだとか、〇〇であれば、当然◎◎であるべきではないという考え方、これを『べき思考』と略しますが、こういう「べき思考」が怒りの原因,
怒りの引き金になっていることが多いのです。
もう少し例をあげましょう。
タクシーの運転手なら、当然道をしっているべき。
店員なら、当然それくらいの商品知識はもっているべき。
教師なら、当然それくらいのことは知っているべき。
プロの音楽家なら、うまく演奏してあたりまえ。
妻なら料理が上手くて当たり前。
こういう風に、〇〇であるべきとか、〇〇であたりまえという考えがあると、それから外れる事例があると、それが怒りを産み出す原因になります。
怒っていいことはひとつもありませんので、こういう場合、自分が○○であるべきだという思い込みが原因で怒っていたことがわかったのですから、その思い込みを変えていくのが、怒りをなくすのに最善の方法なのです。
一番目に例を出した、タクシーの運転手が道をろくに知らなかった場合、最近はコロナ禍で会社が倒産したりリストラされて運転手になる人も多いらしいから、年配の運転手でも仕事では新米なのかもしれないな。こういうこともあるよな。運転手さん、苦労されてるんだな。くらいに思えば腹も立ちません。
こういうように、自分の怒りの傾向がわかれば、対策もうちやすくなります。
怒りに悩まされてる人は、一度アンガーログをつけてみましょう!!
アンガーログについて良くまとまった動画があったので貼っておきます。短い動画なので復習がてら見てください!!