クレール・ルフィリアートル&上村かおりジョイントリサイタル

京都のカフェ・モンタージュ( https://www.cafe-montage.com/ )でのコンサート。

カフェ・モンタージュといっても、どういうところかわからないかと思いますので、少々説明しておくと、昼間はカフェで、夜は時々コンサートが行われています。

昼間のカフェは日曜が14時から21時までで、他の日は15時から21時までとなっています。音楽会が開かれる日は、カフェは休みとなります。

夜、コンサートのある日は、20時から、基本1時間のプログラムになります。

この劇場の主催者の高田伸也氏のインタビュー記事がネットで読めます。

小さなカフェから、京都に劇場文化を根づかせたい  の一部を引用してみましょう。

『 劇場を開こうと思い立ったのは「京都に、日常的に一流の舞台をやっている場所がなかったから」と高田さん。「このままでは、劇場に行く人がさらに減ってしまう」と、約2年前に一念発起。現在39歳。今の音楽よりも「古い録音」が大好きな少年として育ち、音響技師を経て、現在はピアノ調律師としても活動を行う音楽畑の人。振り返ると20代中頃の4年間をヨーロッパで過ごした経験が大きな影響を与えていると言う。スイスとオーストリアに1年ずつ滞在した際、可能な限りすべての音楽会に通ったそうだ。もちろん、立ち見席など一番安い席で(300〜500円!!)。すると、だんだん立ち見席に集う人々と親しくなり「君は演劇も見るべきだよ!」と劇場に行くことを薦められ、現代演劇にもはまる生活がスタート。当時鑑賞したチケットの半券を数えたら500枚以上になったとか。
 「舞台鑑賞が日常的であるヨーロッパでは、『あの芝居を見に行く』というより、『あの劇場の主催だから見に行く』というのが多いんです。無名の新人のデビュー公演だって見に行く。それは劇場の審美眼を信じ、信頼感を持っているから。もちろんつまらなかったらブーブー文句を言うわけだけど(笑)。そうやって演じる人も磨き上げられ、見る人も目を肥やしていく。劇場が文化を育てていくんだなと実感したんです」。
 当時から、日本にもそんな「場」が必要なのかもしれない、と思っていた。「まさか、10年後に自らつくるとは思わなかったけれど」と笑う。でも、この頃から将来は劇場の運営に関わっていきたいと思うようになっていたという。』

ここに来るのは確か5回目くらいですが、席数が数十席の小さな空間で、相当な水準の演奏が楽しめる稀有な空間です。

今回はフランスのバロック音楽界では有名なソプラノのクレール・ルフィリアートルと、ヴィオラダガンバの上村かおりのジョイントリサイタルでした。

クレール・ルフィリアトールが上村の伴奏でスペイン、イギリス、フランス、イタリアの歌曲を3~4曲ずつ歌い、上村かおりもヴィラダガンバの独奏を3曲弾くというプログラムでした。

クレール・ルフィリアトール の歌声は、暖かみのある美声でした。

ユーチューブで歌声を聞くことが出来るので、貼っておきます。

プレイエルが奏でるリアル・ショパンの肖像

フォルテピアノ

10月の11日に神戸の松方ホールに、ショパンが好んで演奏したと言われるプレイエル社製のフォルテピアノを使用した演奏会に行ってきました。

このピアノは1846年製とのことです。ショパンは1810年生まれで、1849年に亡くなっているので、ほぼショパンが使用していたのと同じような響きが期待できる楽器ということになります。

確かショパンが『普段はエラールのピアノを弾くが、気分の良いときはプレイエルのピアノを弾く』というようなことを言っていた、という風なことを読んだ記憶があります。

遠山一行氏の『いまの音、むかしの音』という評論集の中に、『ピアノの音』という小文があり、ショパンとプレイエルに関する記述があります。引用すると、

『十九世紀のはじめフランスのピアノが世界をリードしていた頃、ショパンはプレイエルを自分の楽器としてえらび、エラールを派手だといってしりぞけた。しかし、リストはそのエラールを弾いてピアノの王者になった。

 エラールの音は華やかで多彩だが、プレイエルは幾分地味で、しかも繊細である。それをショパンの音といって差支えないだろう』

プレイエルが、まさしくショパンが求めていたピアノの音ということのようです。

そのピアノを使用して今回演奏するのが、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの1位だった、トマシュ・リッテルと、2位だった川口成彦の二人でした。

前半は川口成彦の演奏で、後半はトマシュ・リッテルの演奏でした。

二人の演奏、見事でしたが、驚いたのは、二人で同じピアノを、同じ調律で弾いてるのに、響き方が全然違っていたことです。

よく、ピアニストのタッチで音が全然変わるということをいう人がいますが、これにたいしては同じピアノなら、おなじ鍵盤をたたけば、同じ音がするはずだという人もいます。

個人的には、調律や、ペダルの使用の仕方で響きがかわるのだろうと思っていましたが、今回は、同じ調律なので、弾き方や、ペダルの使い方で、響きが変わるということのようです。

とにもかくにも、プレイエルの美しい響きを堪能できたコンサートでした。

前橋汀子 リサイタル

前橋汀子 バッハ無伴奏

10月19日 ザ・シンフォニーホールで前橋汀子のバッハの無伴奏の全曲演奏会を聴きました。

バッハの無伴奏6曲を、1回だけ休憩をはさんで、演奏するという、ハードな演奏会でした。

昨年イザベル・ファウストがいずみホールで演奏したときは、2日に分けて演奏していましたが、今回は一日で全6曲の演奏です。

チョン・キョンファが以前、一日で全6曲弾くというのがあったように思いますが、聴きにいかなかったのですが、チラシを凄いなと思いながらみていた記憶があります。

今回の曲順は、

ソナタ1番、パルティータ1番、ソナタ3番、休憩、ソナタ2番、パルティータ3番、パルティータ2番という順番でした。

有名なシャコンヌで全曲を締めくくるという構成でした。

最前列で聴いていたのですが、気迫がすごかったです。

全6曲をあれだけの集中力で弾ききったので、当然、アンコールはなしでした。

昔から、前橋さんの『無伴奏』のCDは愛聴していたので、ようやく実演が聴けて、終演後にサインももらえて満足でした。